2012-03-24

ゆけ,久留島!

昨日,5年間,苦楽を共にしてきた久留島潤君の修了式がありました。この写真だけ見ると,何かのあやしい結成式のようにも見えてしまいます(笑)。中山学府長,ありがとうございました!

左から学府長の中山先生,桑江講師,久留島君,細菌学会のジェイソン・ステイサムこと私です!

下記写真は,修士で入ったばかりの頃の久留島君です。第一印象では「線が細いのかな?」と思いましたが,人並み外れた努力と実験量でメキメキ成長していきました。そして大化けするかも?という期待感が,私のほうで大きくなっていきました。

修士1年の久留島君
本来ならば学振の特別研究員の期間はあと1年あるので,じっくり今の研究を突き詰めればいいと思っていましたが,4月からは某国立系大学医学部で助教となります。正直なところ,彼には残って欲しかったのですが,就職が厳しい時期に「先の保証がないけれど残ってくれ」とは,言えません。研究をすることも大事だけれど,自力で生きていく能力は,もっと大切なことだと思います。そのためにはどんな領域であれ,トップ5%のポジションをキープすることだと思います。

話を久留島くんに戻しましょう。

修士・博士課程の5年間,僕こそが彼のお世話になったのです。僕が教えられることは,ほんの少ししかないけれども,それでも「論文を書く」ということはどういう事なのか?を論文4報を仕上げる過程(まだ2報が進行中で,レビューワーさんと激闘ちう)で,理解してくれたと思います。最初の頃は,僕の万年筆のインクが一気に減ってしまったけれど,4報を書き上げる過程で,余分な文章もなくなっていき,骨子が理路整然と浮かび上がるようになりました。帰結するべき道筋が,はっきりとあらわれるようになりました。僕は彼があと1年間いるものだと思っていたので(何度もごめん),この1年のなかで論文3報を仕上げれば良いと思っていたのですが,最後の3報は昨年の11月頃から集中して固め打ちしたことになります。こういったことも結果的には,彼の研究者人生,論文の骨子を固めるという意味において,プラスに働いたと思います。僕的には論文を英語で書く場合,いつもより脳が興奮状態にあるので,不眠状態になります。ジムで三角絞めで落とされそうになったりして,そのバランスを保つよう心がけました。

先日21日に久留島君の歓送会を開きました↓。初々しさが消えて完全に研究者モードになっています。虎の穴を生き残った凛々しい顔立ちになりました。




下記写真は,ラボの集合写真です。左から深沢先生,卒研生の寺島君,ポスドクの千葉ちゃん,久留島君,特別研究員の安井さん,僕,そしてラボの立ち上げ時からお世話になっている桑江講師です。なんとなく,深沢先生が久留島君の指導教官に見えてしまいますが,現在の僕があるのは深沢先生のおかげなのです。深沢先生は慶応大学医学部名誉教授であり,医学部微生物学・免疫学教授,小安重夫先生の前任の教授でありました。僕は当時の深沢先生のラボに,国内出向というかたちでお世話になり,先生から直接,実験のご指導を頂いて分子生物学的手法を体得したのです。また,ポスドクの千葉ちゃんは小安先生のところで博士課程を修了し,僕のラボにきてくれました。深沢先生は僕のラボに「研究者」として在籍されており,今でも並々ならぬ情熱をもって実験を行なっておられます。このほか,卒研生として畑間さんと今村君が在籍しております。また,慶應の医学部からは,永井 武先生が研究員として在籍されております。あとはラボの事務作業を一手に引き受けている,Iさんがおります。4月からは大学院生が1名加わります。若い人達も新たに加わって,研究を盛り上げていきたいと思います。





話を再び久留島君に戻しましょう。
久留島君は,今後,まったく違った研究領域に身をおくことになります。
健康に気をつけて頑張って欲しいと思います。

5年間,ありがとう。
今後のご活躍をお祈り致します。


追記:久留島ファンの方は,来て下さい↓

日時:2012年3月28日(水) 16:00~18:00
会場:第1会場(長崎ブリックホール:3階 国際会議場)
つぶやいて (twitterで)広がる感染症研究
コンビーナ:
演者:
上野 圭吾(国立感染症研究所), 松本 靖彦(東京大学)
上野 圭吾(国立感染症研究所)
中根 大介(長崎大学)
山崎 聖司(大阪大学)
久留島 潤(北里大学)
佐藤 慶治(千葉大学)
岡本 陽(名古屋大学)
豊留 孝仁(千葉大学)
酒井 俊祐(京都大学)
【概要】研究とは、ややもすれば内向的で、実験がうまくいかない負のスパイラルに陥ることもしばしばです。対して、学会は、色々な人と討論をして研究者同士が交流する外向的な場です。そこには、自分が気づいていない研究のヒントやアイデアが隠れているかも知れません。特に若手研究者は、物怖じせず積極的に討論することが必要で、交流を広げることで研究手法や思考法を貪欲に吸収することが必要ではないでしょうか。
そこで本ワークショップでは、細菌学の分野で活躍する若手研究者から演題を幅広く募り、横断的な討論を行いたいと思います。特に今回は、若手研究者同士の討論や研究者交流を活性化するために、無料オンラインツールであるツイッターで質問を随時受け付け、投稿された質問を発表スライドの横にリアルタイムに投影します。「気軽に討論」「広げよう感染症研究」をコンセプトに、本学術大会に若手の活力を呼び込みます。